第5回市民国連 (CUN)

創立1周記念 「文明と平和」
                   〜日本文明を考える諸団体の連携を目指して

と き:平成18113日午後1時半〜6時半

ところ:目白大学1号館2階

 
{開催趣旨} 今、世界は病んでいます。地球生態系のバランスが崩れ、イラク戦争を始め、
世界各地の紛争、テロ活動は一向に止まらず、飢餓やエイズの死亡者数も増加の一途を辿っ
ています。これらの地球的課題の解決のために、各種の国際機関、各国政府は、国益の障壁に
立ち往生しています。


そこで従来の取り組みとは違った別のアプローチ、NGO/NPOなどの市民の力で既存勢力と対立するのではなく、
補完関係の役割を担いつつ、助けあって問題解決に当たる政治的手法が注目を浴びつつあります。既に、毎年
、国連においては、NGOの代表が国連側代表と対等の立場で協議しすることが制度化され、国家レベル、地方
自治体においても、徐々にこの手法が取り入れられつつあります。


 私達は、昨年113日、「愛・地球博から未来(あした)へ!〜 国益を超えた市民の世界的
連携を目指して〜」のメインテーマの下、外人記者クラブで34団体、150名が集い、市民国連
を創設しました。今回、創立1周年記念行事として「文明と平和」をメインテーマに目白大学
で市民国連フォーラムを開催します。従来の軍事力、経済力を投入するのみのでは一向に平和
への糸口が見出し得ません。文化力を高め、情感性、叡智を豊かにすることこそ世界平和への
近道であるというのが、今回の趣旨です。そのために日本文明とは何なのか? 日本文明が地球
的課題の解決、世界文明創造へ貢献の可能性はどうか? 日頃、日本文化、日本文明をお考えの
諸団体、有志の方々と大連合の下、共に探りたいと存じます。

 今回,全体会議とともに6つの分科会を開催します。各分科会とも本会の設立趣旨に基づいて、
テーマの選定から会議の内容に至るまで、それぞれのテーマに関心のある諸団体の連携により、
問題解決のビジョンを求めて自主的に運営されます。小さな輪から将来は、アジア・世界の同志を
含め、市民の連帯の輪を広げるべく、皆様の積極的なご参画を期待致します。
 

 
2006年(平成18年)11月吉日     市 民 国 連 理 事 長  中西 真彦
                         第5回CUN実行委員長 大脇 準一郎

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 プログラム概要はこちら

  第一部 全体フォーラム:午後1時半〜3時40分(定員240名)

  開会来賓挨拶
            
竹田 恒泰氏 作家・世界自然共生基金理事長 ,
           
江見 康一 氏  一橋大学名誉教授

竹田恒泰氏:環境学の研究者で、評論家。家系は伏見宮家より分かれた北白川宮家の分家にあたる
竹田宮家の血筋。旧皇族竹田宮恒徳王の孫。恒徳王第三子、日本オリンピック委員会会長竹田恒和の
長男。祖父 恒徳王は竹田宮恒久王と明治天皇の第六皇女 恒久王妃昌子内親王夫妻より生まれている
ことから、恒泰は明治天皇の玄孫にあたる。世界自然共生基金理事
竹田氏のプロフィール
詳細はこちら


基調講演「日本文明の可能性」 山折哲雄氏 前,国際日本文化研究所 所長
 1. ブッシュ大統領2001.9.11日の演説 
 2. 1995年イスラエルの旅
 3. 日本人の自然観
 4. 明治維新無血革命論
 5. 日本の歴史における二度の長い平和
 6. 日本人の先祖崇拝
日本とヨーロッパなどのちがいを前提として考えていかないと、これからの日本の近代をどう成熟させていくかというときに、思わぬ蹉跌をしてしまう危険があります。そういう点でも、私は、平安時代350年と江戸時代250年の平和の意味を正面から取り上げ、多角的に研究していくことが、今後必要ではないだろうかと、思っているところであります。 全文はこちら⇒
      
「日本文明が世界を救う」中西真彦氏  市民国連 理事長

ここで結論を先に言えば、われわれは日本文明の中にこそ、この新しい文明の理念が隠されていると考えている。我々の目的は、日本文明の基層に秘められている人間観・自然観・神観の哲学をえぐり出す事である。先人達が余り議論して
いない日本文明に内包されている独自の哲学は何かと言う点に焦点を絞って論述を進めたいと考えている。
           全文はこちら       中西論文表紙

   

  第二部 分科会 午後4時〜6時半  (敬称略)            
  
T,「地球社会をデザインする」上村雄彦 千葉大学大学院公共研究センター主任研究員

 U,「小子化問題を考える」      

「少子化問題を考える」 パネルディスカッション  市民国連分科会 ’06.11.3

 講師 江見康一(一橋大名誉教授) 蓮井昌雄(NPO全日本健康倶楽部会長)

 水谷鏡子(華のハーモニー主宰) 太田栄之(ツヴァイ創設者) 司会渡部和子

 江見 原因は子育てコスト、両立環境、保育所の未整備、地域環境など。「今日は赤ちゃ
    ん」などの流行歌が絶えて久しい。家族力が低下し、先祖よりの命という生命感も
    乏しくなった。

 蓮井 お金や環境などを安易に少子化の要因とすることが多いが、自分はその考えに
     組しない。そもそも子育ては楽しいものだ。自分は8人の子供を生し、16人の孫を
      得た。相場の失敗で億の借金を背負ったこともあったが、子供には学費貸付などの
    形で経済的に乗り切った。子育ては楽しいものと思えば出来るものだ。

    少子化はまだ市民一般の関心が薄いことが問題だ。

 水谷 女性の給与アップ、雇用均等法(85)など女性サイドの変化に対して、男性
     の意識が変化していないことが少子化の原因と思う。仕事と子育ての両立のために
     地域にはあまり期待できないので企業がやるべきことは多い。祖母力には頼れない。

    自分の経験から、もし自分に子供がいたら、今の、人を使う経営の仕事は出来なかっ
    たであろう。少子化問題に経営が与える影響は極めて大きいと考える。

 太田 少子化問題はその最大公約数的原因をしっかり押さえ、出生率1.25のままで
     いってしまったらどのような社会になるのか、果たして対処療法は有るのか無い
    のか、何故政府のこれまでの政策で効果が出なかったかを追求すべきと考える。

  小生は厚労省など公的データとフィールドワークで外国人を含めた子育て中の働く
 お母さん方及び民間企業の経営者との面談を積み重ねた結果、少子化と裏腹の未婚化・
 晩婚化の一番大きな要因は@女性にとって、働くことと結婚・子育を同時に二つこな
 すことは相当シンドイ。
 いずれ結婚したいが、とりあえず結婚は後回し。次にA出生率の高いスウェーデンや
 アメリカのお母さん方は日本のそれと比べ家族観、社会観が相当異なり、子育ては
 楽しいもの、家族は社会生活の軸としてとても大切なもの、仕事と家庭の両立は
 自らが作っていくもの、との観念が強い。
 すなわち心・精神面に起因するもの。最後にB経済成長の影響 という少子化の要因
 の仮説を立てた。

   そこで、そもそも我々の日常生活が時間的(通勤、勤務時間) 経済的(給料) 
 出世という点において、謂わば人生の七割を会社・経営に握られているという現実を
 直視したうえで、社長など経営者に「おめでとう運動」を提唱したい。 
 すなわち社員の結婚、出産に対し人事部長でなく社長自ら、次世代育成を経営理念と
 して、心から皆の前で「おめでとう」と祝福するのだ。

 これこそが仕事と子育ての両立支援環境、男性の家庭参加という企業風土の変革を
 促す起爆剤となると考える。行政はこれら次世代育成先進企業に税制優遇措置などで
 企業のサポート役としてドライブをかけるべきだ。全国百万の社長さんが理念として
 これを始めたら少子化という大きな山は動き始めるのではないか。両立環境が整い
 女性管理職比率が高い企業ほど業績が良いというデータもでつつある。

 以上が対策の第一。第二は心・精神の問題。家族愛、新しい命への畏れ、自らの足で
 立つ精神の涵養など戦後失ったものを取り戻すこと。今進められている教育基本法の
 改定、あるいは憲法改定の問題に関ることであり、当市民国連の「日本文明の再定義」
 にも関連することである。
510年を要するであろうが我々の根幹の問題と考える。
 第三は人口減少社会を迎える日本は一人当たり労働生産性を高めることが必須である。
 以上が少子化の原因と対処法の私の仮説である。

 会場から NPO理事長山本氏  日本の2600年の歴史的観点から、人口減少はやむを得ない。
      そもそも日本は人口密度が高すぎる。

 太田  7千万人、8千万人などという数の問題ではない。結婚したくても出来ない現実
     が問題。 なにより安心して子供を生み育てられる社会が実現しなければならない。
     その結果が
8千万なら国民の選択であるから、それでよい。ただ1.25のように
      急速に出生率が低下すると、人口が逆ピラミッドで現行年金制度など社会福祉が明
     らかに維持出来ない。従って出生率の回復は喫緊である。

 会場から 川崎市子供支援担当部長 佐々木氏  国は全然本気ではない。企業だけで
        はない。 国が本気を出さねばならない。国全体の社会福祉支出約80兆円の
      うち子育て関連はたったの1.5兆円だ。高齢者福祉は世界一であるが子供
      へのそれは先進国
中最低に近い。 

 会場から 20台の若者  家では両親の仲が悪く、自分の居場所がない。
    将来結婚できるだろうか、不安だ。つくづく家族の大切さを思う。

 太田  水谷講師のお話にあったように、会社が持つ社会人への影響力に鑑み、少子化の
   要因の大きな部分が経営にあるとするなら、まずは経営者が経営理念の中に「次世
   代
育成」を取り込み、実践すること。行政は財政・税制などで民間企業をサポートする
   こと。これが対処の第一

   次に心の問題。蓮井講師のお話は印象的であったが、自立心、家族愛、命への畏敬の
   こころなどを教育改革などを通して取り戻さなければならない。これが第二。

   最後に経済成長。成長あって子育て費用、教育費が出るし、生活の夢も抱ける。

     以上のように本パネルディスカッションは原因と目されるものを仮説として押さえ、
   三つの対処法を提示することで、締めさせてさせていただく。


 パネルディスカッションを終えて
一般はこの問題へまだ関心は薄いので、次回以降動員に工夫がいる。(蓮井講師)
会場のほぼ全員が発言。発言者から、「発言することで自分の考え自体を整理する
ことが出来た、」など概ね好評であった。 総合司会の渡部和子さんに深謝。  

 V,「教育再生の鍵を考える」子育て,幼少児,芸術教育・・      
     
一色宏(未来創庵・庵主)小池松次(あすか教育研究所)
     廣瀬輝子(生活演出研究所)
浜田實(産経新聞)   
    

  W,「核時代の選択;護憲か,改憲か,憲法無効論か?」
     
松本道弘(国際ディベート学会会長)松原仁(衆議院議員)
     南出喜久治(弁護士)佐宗邦夫・各党代表参加予定 

     
    X , 「北東アジア;共通の未来を探る」
      中野有(中野アソーシエイツ代表)大脇準一郎(未来構想戦略フォーラム代表)
   
小松昭夫
(財)人間自然科学研究所 理事長,王敏(法政大学国際日本学研究センター教授)
    
李鋼哲
(北陸大学教授)          
  Y, 「生涯現役推進のために; 再雇用・生き甲斐・健康」 
 東瀧邦次
(生涯現役推進協議会代表江島優(社)日本人材紹介事業協会名誉会長)
 廣瀬春孝(日本熟年会議所代表)
,山口宗秋(生涯現役プロモーター
  
     

第三部 交流会とエンターテインメント
               モ ト & 小笠原 みわ  伝 統 楽 器 演 奏 
           木 俣 直 哉  ・ ギ タ ー 演 奏