9.21エネルギー政策フォーラム ─ 原発安全革命:脱重大事故,脱プルトニウム,減廃棄物─

         ⇒10.25 トリウム安全原発推進国際フォーラムへ

ビ ラ(表) 9.21配布資料 参考資料 9.21写真・メモ

東日本大震災から早や、半年、津波による死傷者は2万人を超し、福島原発の事故は
未だに暗い影を投げかけています。これからの電力供給をどうすべきか?原発の賛否
を巡って論争が激しくなっています。

元々、原発は、原爆そして「原潜」開発技術の中から生まれたもので、戦争に勝つ
ことだけを至上目的として急遽開発されたものです。安全性への疑問は当初からあり
ました。しかもすでに戦中に米国において、「核分裂科学原理からは、最良なのは
“液体の熔融塩を燃料とした原発”であろう」とされ、戦後‘60年代に安全性の
優れた原子炉として熔融塩炉の開発実験が成功裡に行われました。しかし、冷戦体制
化にあって「軍用に不向きなものは不要」と突然中止されたことは不幸なことです。
電力の30%(冬場は94%)を原子力に負っている我が国は、安全で環境に優しい
巨大新エネルギー技術を必要としています。熔融塩炉は液体・トリウム・小型と言う
点でその可能性を持つものです。

今回、長年その開発に取り組んでいらっしゃる古川和男氏を迎え、日本のエネルギー
事情の中でトリウム熔融塩炉の可能性につきお話をお伺いする場を設けました。84歳
の高齢にあられる氏は「目の黒いうちになんとか実験炉を完成したい」と情熱を注い
でおいでです。「人間のための技術」として核技術を位置づけ、「核廃絶の高邁な夢」
に賭ける氏の講話に耳を傾けたいものです。ご同年でもある東北大学の西沢潤一名誉
教授も、かねがねこの炉を強く支持なさっておられ、最初にご挨拶下ささいます。

と き:平成23年9月21日(水)PM:1:30〜4:30
        

ところ:私学会館 6階 霧の間
(Tel:03-3261-9921)
       
〒102-0073 東京都千代田区九段北24-2-25
      
JR中央線(緩行)・有楽町線・南北線・都営新宿線市ヶ谷駅より徒歩2分

定 員:100人 
費:一般:3,000円,(構成団体会員:2千円)

次 第:1:30
開会の辞 西澤 潤一 世話人代表
    1:40
来賓祝辞 ペンギラン・ユスフ殿下 ブルネイ初代首相

    1:45
講演原発安全革命:トリュム,液体燃料,小型化
           
古川 和男 () トリウム テック ソリューション社長 
    3:00-3:15  休 憩

    3:20-4:20
パネルディスカッション「トリウム原発:実現の条件」 
        司 会 :嶋谷志郎 (財)地球環境財団理事長  
        
パネラー:木下幹康財)電力中央研究所 原子力技術研究所 特別嘱託
             
小野昌章 コンサルタント(元三井物産()資源,原子燃料)
              
西澤・古川両氏にもパネルお加わり頂きます。

    4:20-4:30
閉会の辞 一色 宏

  *5:00〜6:00 懇親会 定員20名程度
        「レストランフォッセ」(私学会館2F)参加費:2,000円

主 催 : エネルギー政策フォーラム実行委員会 

構成団体:
社)科学技術海外進出機構, 世界戦略総合研究所, 信勇会
         日本ビジネスインテリジェンス協会(社)地域活性化機構, NPO知恵の輪,
         地球市民機構, (財)地球環境財団, ,NPO未来構想戦略フォーラム
         NPOトリウム熔融塩炉国際フォーラム, NPO山元学校 ほか、
        

連絡先:実行委員会事務局 E-mail:jepf@gmail.com
     
〒104-0061東京都中央区銀座6-17-2 ビルネット館2-3F
     (財)地球環境財団内 Tel. 03-6278-7108 Fax: 03-6278-7106 

    
 
振込先:ゆうちょ銀行:店名:0一八,店番:018,普通預金,番号:6833465 
      名義:地球市民機構
ゆうちょ銀行:記号:10130,番号:68334651



西澤 潤一
(学
上智学院
顧問

       西澤 潤一氏【プロフィール】

世界の研究者に先駆け
1950年代から光通信の可能性に注目、光通信の基礎技術を考案。Pinダイオード、静電誘導トランジスタの発明,半導体材料完全結晶化技術開発。光通信の父」,「ミスター半導体とも呼ばれている。最近,電磁波「テラヘルツ波」による癌診断,がん治療研究成果を発表。

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926年宮城県仙台市生まれ。東北大学工学部電気工学科卒、同教授、半導体研究所長、東北大学総長、岩手県立大学長、首都大学東京学長、日本原子力産業協会会長、日本工学アカデミー会長,国際工学アカデミー連合会長歴任。文化勲章、勲1等瑞宝章受章。ジャック・A・モートン賞、エジソンメダルズ賞受賞(エジソン、ベルら20世紀を代表する科学者の名を冠した賞。日本人では初めて)。また西澤氏の業績をたたえた「西澤メダルズ」が創設される。2004年から毎年、電子工学や材料化学などの分野で顕著な成果を挙げた個人や団体に贈呈されている。
日本学士院会員、工学博士
2011年4月より、上智大学特任教授

主な著書『生み出す力』 『わたしが探究について語るなら』 『赤の発見 青の発見』 『創造性を育てる』 
    『半導体のおはなし』 『科学の求道者―私の履歴書』 『科学時代の発想法』 『独創教育が日本を        救う』
『環境・資源・エネルギー問題解決のための独創エネルギー工学』 「日本人よ ロマンを」「技術大国・日本     の未来を読む] 『教育の目的再考』 『「十年先を読む」発想法』『オプトエレクトロニクス』『半導体装置』など多数。       

  最近の講演から抜粋         西澤 潤一                   

「安心し切って使って来た石油・石炭が大量の炭酸ガスを発生し、地球規模の環境問題が生じてようとは誰もが予想していなかったことである。人間社会を脅かす、戦争・殺人と云う前世紀からの引きずりばかりでなく、個人レベルにまで浸透した危険を我々は迎えつつある。これは正に21世紀の暗い一面である。

漸く科学者を先頭に対応の為の動きが始まっている。熱い人間への愛に基づいた叡智の科学者が必要な時である。学者というのは人類に対する危機が生じたときには真っ先に警鐘を鳴らし、その対策を生み出さなければならない。世界中の人がひとり残らず幸福にならなければ、個人の幸福はあり得ない。

今の日本の社会には自己の周囲を包む社会に対する配慮がない。自己周囲を包む社会の死は、自己個人の死を意味するが、善き隣人の死の訪れの方が早い。権力と金の亡者には、その日が来るまで判らない。この信ずべき他人の居なくなった今の社会に、責任感のある信ずべき人達と連繋することは千万の味方を得た喜びとなる。何度も自裁を思った筆者を救ってくれたのは、共に追求し、共に励んだ昔の協力者だった。忘れていた様な人達まで起ち上がって思いも掛けぬ道を走らせてくれた。今再びこれらの老若を問わぬ昔の仲間が、私の仕事を展開させてくれている。この信頼に報いねばならぬ。人類の危機を避けるために。

エネルギー政策に対しては、地球的規模で経済性の高い水力発電を直流技術による大量送電を再利用するよう提言したい。

暗記から理解へ、創造的な能力を身につける若者の教育が大事。日本人の知識や創造的な仕事は誇るべきものがある。日本から独創技術を出し、世界の人のために役立てることが人類の繁栄につながる。



古川 和男
 ()トリウムテックソリューション社長 

        【古川和男氏プロフィール】

1927年 大分県生まれ, 京都大学理学部化学科卒, 東北大学金属材料研究所 無機液体構造化学研究 英国科学工業研究省特別研究費でLondon大学物理教室へ招聘。東北大学助教授,日本原子力研究所出向,高温融体の核エネルギー利用研究。材料工学研究室長,ナトリウム研究室長、動力炉開発推進本部(総理府)専門委員, 主任研究員,高温融体材料研究室長 東海大学開発技術研究所教授, 退職。 略歴詳細はこちら

トリウム熔融塩国際研究所所長, NPOトリウム熔融塩国際フォーラム理事長、 () トリウム テック ソリューション(TTS)社長(CEO 

◆学位・資格等:理学博士 (京都大学:1960 9)『熔融体の構造の研究』
 Ukrainian Academy of Science foreign member;   International Disordered-System    Associates former President  熔融塩熱技術研究協会:元会長、国内外に70件以上の特許有り。佐藤栄作記念国連大学協賛財団 応募論文[核拡散防止]「最優秀賞 

◆著書:“「原発安全革命」”:「文春新書」 「地球を救うために新しい原子力を!トリウム熔融塩炉」
      「岐路に立つ原子力」リリエンソール/古川和男訳他専門書多数。
◆論文・解説等:無機液体構造関係、融体技術関係、トリウムエネルギー関係数百篇あり。
 世界の関連論文。各国に動き

  安全な原発とは” ─ 初心を忘れたこの三十年が全てを狂わせた─ 古川和男

現行の原発体系は,安全性のみでなく未解決な問題が余りに多い。「新トリウム熔融塩原発」によれば、それらの難問
全てを解決、僅かの資金と 期間で実用化可能であって、世界に展開利用できる。

 新原発安全革命 
  原発の賛成・反対両派が「持論」をぶっつけあっているのは不毛ではなかろうか?世界で最初に原子力平和事業 への責任を  負った、リリエンソール(米国初代原子力委員長)は,三十年前に“原子力:新出発”との遺  書を残したが, 彼の願いは「第  三の道」であった。 それに答えようとしてきたのが我々の新原発構想提案である。太陽系エネルギーは 世紀後半の主役で   あり、当面原子力に頼らざるを得ない。

・「核分裂」は、本来「自然現象」
 ウラン235濃度が高かった20億年前には、ガボンのウラン鉱山で雨水により「天然原子炉」が 稼働していた。  核分裂は自  然な「現象」である。核分裂反応遂行、反応生成物処理処分、残渣の処理・再利用を経て、次の核分裂反 応炉に循環  させる「核燃料サイクル化学工学」を完成させるのが『事業の本質』である。「発電」などは、そのごく一部 の作業に過ぎない。

・戦後の「原発開発史」は間違っていた。
 戦中に始まったために、良いプルトニウム生産炉、良い(原潜)発電装置の完成が強く志向され、 合理的“核燃料 サイクル  の完成 ”とその関連技術整備への配慮は副次  的で、ついに完成できなかった。 軍用では、「良いエンジン」 が得られれば最高で、「後は知らぬ、何とでもしてくれ」というのが自然だった。

・「初心」に戻ろう!
 1930年代にブダペストから米に亡命してきた一人ユーゲン・ウィグナーは、最初の原爆用プルトニウム生産炉を  実用化 させた 後、シカゴ大学で催された「原子炉セミナー」で、「原発は化学工学装置であるべきで、それ なら反応媒体は“液体”が望ましく 、その理想形態の原発は “熔融フッ化物塩燃料炉”。」とまで予言していた。 彼の高弟アービン・ワインバーグが米オークリッジ 研究所所長となり、「熔融塩炉」の基礎開発を成功させた(1945-76年)。今は,50年前の「良 き時代」とは本質的に異なる 。我々は、現実とし て「現原発産業」を2,30年は 維持利用する使命を持つが、その間に「 合理的な新技術産業」を数十  倍規模で準備し、未来に答 えねばならない。その実現・実用化への挑戦が、「新事業 :トリウム小型熔融塩原発FUJI
 提案」である。

・「新トリウム熔融塩原発」FUJI
 僅かの資金と期間で実用化可能。下記のように現存の諸難問のほとんどの解決に役立ち、世界に展開可能。 詳細は、拙  著「原発安全革命」(文春新書)でお 知り頂きたい。

@ 決定的安全性:単純頑丈常圧構造体、液体燃料が漏れれば、燃料がなくなり炉は停まる。空気・水などと反 応せず、  安定なガラス固化体になる。

A 高い核拡散抵抗性:プルトニウムなど超ウラン元素生成が千分の1、強烈なガンマ線で原爆にならず、核拡散 ・
  テロ防止に最適。

B  核廃棄物の減少:運転・保守作業の僅少化,核廃棄物が大きく減少。 再処理作業の単純低廉化:燃料体の溶解・  再製造不要、安全な作業, 現存使用済み 固体燃料体を経済的に処理処分でき、得られたプルトニ ウム含有熔融   塩を熔融塩炉初期燃料に有効利用しつつ焼却できる。

C 高性能小型炉型・経済的:単純常圧密閉炉容器、小型で「核燃料自給自足」可能。工場量産、世界展開も
  容易。 高い経済性:柔軟単純で理想的原発。 少 ない開発費:基礎開発完了、機器開発に「同じ高温融 体炉のナ  トリウム技術」が流用可能。  早い実用化:初期燃料に「プルトニウム含有塩」を利用すれば、約10年 強と1500億   円で小型炉FUJIが完成できる。
現在の原発産業体系を乱すことなく、難問課題打開救済、円  滑に移行展開が可  能。今世紀中頃には、「世界の一次 エネルギーの約半分」を供給できる、経済的かつ巨大な 新原子力産業創生がで  きる。

D CO2半減実現可能。日本が「先導的役割」を果たし、自国の繁栄と共に世界の環境・貧困問題の打開、テロ  防止   に貢献すべきであろう。

 この構想は、すでに1997年に日・米・露・仏・印・IAEAなど世界の熔融塩炉専門家24名の会議で支持を得た。 また、
 チェコ・ トルコ・ウクライナ・ベラルーシ・ベネズ エラ等々にも優れた協力者がいる。すでにその具体的「国 際実用化開発  作業」を開始している。 積極的なご協力を強く要請したい。 


☆トリウムとウラン原発との比較等 
     概括的解説はこちら  
初歩解説はこちら


  
 木下 幹康
(もとやす)

(財)電力中央研究所
 原子力技術研究所
 特別嘱託

             【学歴・研究歴】
1950年神奈川県生まれ,慶応義塾大学工学部卒,同大学院修士卒,工学博士。(東京大学)学術界(大学、国立研究所)と発電現場を往来、問題解決の研究を30 年間進めてきた。方法論の特徴は物理学的視点での現象の発見、非線形数学モデルの構築、国際ネットワーク(プロジェクト研究)活用である。  
実績例:安全審査と国内メーカが用いる発電炉燃料挙動解析コードを開発。1994 年IAEA の命で中国核能研究所(北京)で技術講習。国際共同研究HBRP(軽水炉燃料の高燃焼時実験プロジェクト)を企画、プロジェクトマネージャ運営。現象(細粒化)発生のしきい温度と燃焼度を同定(2001年終了)。原子力委員会の命で新クロスオーバ研究(NXO)プロジェクトリーダ。原子炉内UO2 の高燃焼組織変化(細粒化)を炉外加速器照射で模擬的再現に成功。計算科学で機構解明を進める(2004-9年)。現在、照射下材料現象のうちセラミックスの酸素挙動(ナノ結晶)を仏・米と共同研究中。2009 年よりUO2 とトリウムの比較研究に着手。

            研究活動詳細はこちら⇒   

職歴:1974年電力中央研究所 入所(現在に至る)通産省原子力発電技術顧問,東京大学人工物工学研究セン ター客員研究員,経済産業省資源エネルギー庁意見聴取会委員,日本原子力研究所客員研究員(現在に至る) 経産省総合資源エネルギー調査会臨時委員,東京大学工学部工学系研究科客員研究員(現在に至る)(財) 電力中央研究所原子力技術研究所発電基盤技術領域上級研究員
外部貢献:原子力発電技術顧問会安全評価MOX部会委員,電源開発大間原子力発電所原子炉設置許可申請意見 聴取会委員,原子力安全委員会原子力安全基準・指針専門部会,沸騰遷移後燃料健全性評価,意見陳述,電源 開発大間原子力発電所原子炉設置許可申請意見聴取会委員,四国電力伊方発電所設置変更許可意見聴取会委 員,日本原子力発電敦賀発電所設置許可意見聴取会委員,日本原子力研究開発機構,高速増殖炉研究開発セン ター原子炉設置変更許可申請意見聴取会委員、(高速増殖炉「文殊」再立ち上げ安全審査) 
現職:経産省原子力安全盤小委員会委員,経産省原子炉安全小委員会燃料委員,原子力学会発電炉部会委員    日本原子力研究開発機構高度化軽水炉燃料事故時挙動調査分科会委員  



  小野 章昌
  コンサルタント
            【 プロフィール】

   東京大学工学部鉱山学科卒、三井物産(株)にて資源開発、原子燃料ビジネスに携わる。

「原子力発電の未来を問う!Part2」 パネリスト: 宇田川敬介(ジャーナリスト)
     小野章昌(元三井物産原子燃料部長)
再生時間:57:39 [桜H23/5/14]

「福島第一原発事故と世界のエネルギー・環境問題」   弁護士会主催
 原発問題、再生可能エネルギー可能性等について討論、
UStream動画  Twitter

「原発封印派と原発温存派の対論」2011.6.21
第47回講演・研究会「石油ピークの後に」- EEE
枝廣淳子氏「エネルギー基本計画見直しヒアリング」対する反論 2010/4/10
「総合資源エネルギー調査会原子力部会報告書(案」提出意見書


 
嶋矢 志郎 
(財)地球環境財団理事長
           【プロフィール】

1961年早稲田大学政経学部卒、日本経済新聞社(記者職)入社、論説副主幹/論説委員を最後に、大学教授へ転じ、広島市立大学国際学部/大学院国際学研究科教授兼教学部長兼評議員、芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科教授、同大学先端工学研究機構客員教授等を経て、現職に至る。

この間、政府、中央官庁、地方自治体等の各種委員など公職を多数歴任する一方、筑波大学など10余の大学/大学院での非常勤講師、新聞、雑誌への定期寄稿、テレビ東京のニュースキャスター、ラジオ日経のパーソナリティー等、各種マスメディアにレギュラー出演。

専門:地球社会論、現代文明論、環境共生論、環境経営論、CSR論。
   著書/論文多数


参加申し込みはこちら⇒

参考サイト:トリウム原発は第3の道と成り得るか? (2013.11.17)    
       原子力発電に未来はあるか?     (2004.8.9 )
         モルテン・ソルト・リアクター勉強会 (2017.6.21)