『美の実学』の出版、おめでとうございます。

一色先生から、毎週、欠かさず送られてくるファックスレターを楽しみに拝読い
たしております。博覧強記、人生や芸術に対する真摯な姿勢、そして文章から伝
わってくる情熱に圧倒されます。そのファックスレターが、このたび一冊の本に
まとめられましたこと、重ねてお祝い申し上げます。

一色先生とは、NPO法人未来戦略構想フォーラムの大脇準一郎代表を通じて、面
識を得ました。朝日広告賞や毎日デザイン賞を受けられた、ガンジーなどの偉人
の似顔絵が強く印象に残る山田養蜂場のメッセージ広告を新聞で拝見し、感銘を
受けました。ご縁が深まって、連日報道されている島根県の竹島を「和の文化圏」
発祥の島にしようというメッセージを込めて、小松電機産業株式会社と財団法人
人間自然科学研究所の大変素晴らしいシンボルマークをつくっていただきました。

「和の文化」とは、「共感のステージをつくり、対立・統合・発展のサイクルが
生まれ、希望と勇気が湧き出るような文化のあり方」と定義しております。問題
が山積し、日本そして世界は展望が開けない状況に陥っています。未来指向で過
去と現状を直視し、あらゆる問題を人類の特性、人類史、世界、基本的人権とい
う本質からとらえ直すことからしか未来は拓けません。私どもの会社、研究所は
「和の文化」創造のため、事業を通じて恒久平和のプラットフォーム構築の一翼
を担うことをめざしています。

時代は風雲急を告げております。今日の状況を想定し、20余年にわたって準備し
てまいりました私どもの構想具現化に向けて、一色先生には、引き続きご助言い
ただければ幸いです。ご著書の出版、本当におめでとうございます。

財団法人人間自然科学研究所
小松電機産業株式会社     代表 小松昭夫