東京都渋谷区神南2-2-1NHK制作局第1制作センター「ETV特集」

 デイレクター 堀川 恵子 様    

                2010年4月30日   弁護士  石 川 元 也

 今回の制作の趣旨に敬意を表します。

 今度の番組が、わたしの敬愛する樋口和博さんの人柄、裁判に臨む姿勢などが、広く世の人々に理解され、裁判員裁判を含む裁判がよりよいものとなっていくことに資することに期待し、できるだけの協力をさせていただこうと思います。 

まず、樋口さんの「峠の落し文」ですが、昭和62年5月1日のものが1冊だけありますのでこれを差し上げます。この当時の日弁連機関誌「自由と正義」昭和62年9月号に掲載された石島 泰さんの書評があります。

 平成16年3月15日、再版されました。この再版本には、樋口さんの「本書の再版にあたって」を序文が入って出版されています。それに、園部さんの「再版を祝して」という文章をつけて、「再版を祝う法曹有志の会」という送り状で全国の裁判官有志に郵送しました。その後、本林さんの書評を法学セミナー、2004年6月号に掲載しました。

 平成16年9月15日、再版2刷と増刷する際に、これらをすべて、取り込んで印刷されています。 それで、元の昭和62年本と、増刷2刷に入れられた各論攷をコピーして送ります。

 さらに、この再版本を送った京都大学名誉教授中山研一さんのブログの感想文も入れました。

樋口さんの先輩裁判官の人脈というと、本の187ページに書かれている「自由人近藤倫二―一法曹の生涯」を読んで」にかかれている近藤倫二さん、その後を追って東京家裁所長、名古屋高裁長官になられた内藤頼博さんなどにつながります。その関係で、近藤、内藤に関するインターネットの記事を参考につけました。「自由人近藤倫二」のあたってみたいというのであれば、執筆者は、第2東京弁護士会の小田成光君で、わたしのごく親しい友人です。本はまだ予部があると思います。弁護士名簿ですぐ連絡が付きます。

もし、樋口さんのことについてインタビューされるのであれば、元最高裁判事園部逸夫さんが最適だと思います。また、本林元日弁連会長も(この父君は樋口さんの松高の3年先輩で、東京弁護士会長から最高裁判事になった人。本林さんの奥さんは、樋口さんの松高同期生、浦和地裁所長などされた方の娘さんという縁の深い人)。もちろん、この死刑事件の立ち会い検事のかたが健在だということですからそのお話がありましょうが。

「蓑虫の声」にかかれた死刑囚からの賀状について、その人との文通などが残されているかどうか、ご遺族の方に、わたしから探してくださるようお願いしてありますので、そのご返事がどうであるかしばらくお待ちください。

思いつくままに、いろいろ資料も添えて書きました。制作の趣旨と離れているかもしれませんけれど、なにがしかお役に立つのであれば、さらにお申し付けください。

 すばらしい番組ができますよう祈っております。 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

From: 石川 元也 To: 大脇 準一郎  Cc: 海野 和三郎 Sent: Tuesday, May 04, 2010 10:59 AM

Subject: 樋口和博さん「峠の落し文」 

石川元也です。大脇様から、FAX をいただきました。樋口さんのこの本は、もうわたしのところにありません。

海野様にもと思い、一緒に送らせていただきます。

 新しいニュースです。4月末に連絡があったのですが、NHKの「ETV」特集の5月30日放映予定で樋口さんの2番目の随筆集「蓑虫の声」(海野さんところにもあるかと思いますが)、の最初にある「賀状」という樋口さんが裁判長として死刑を言い渡した被告からの年賀状に関わる話が書かれていますが、このデイレクターの堀川恵子という方から、樋口さんがご健在だろうかお話を伺いたいという連絡がわたしの方にありました。

この被告は、担当検事(健在と言うことです)、弁護人(他界されたという)と文通をしていたということで、それらを取り上げながら、「裁判員裁判一年目を契機に、人を裁くことの意味について考える」番組を制作しているというのです。

 それで、まず、松本高校同窓会会誌113号掲載の、海野さんとわたしの樋口さんを偲ぶ文章を送りました。

さらに、本当に最後の1冊にる「峠の落し文」の昭和62年版と再版増刷本に添付されているものなどを送りました。ご参考までに、堀川さん宛の文章も添付します。

 樋口さんのこの随筆については、「日本裁判官懇話会」で検索していただきますと、ホームページが開けますが、その「コーヒーブレイク」をクリックして、「峠の落し文」の欄に、樋口さんの紹介と、随筆集の中からの10ほどの紹介がでています。これらの転載は、生前の樋口さんからご了承をいただいていたものです。

 わたしの事務所と自宅の住所電話などは下記の通りです。メールアドレスはこの送信で。

  530-0047   大阪市北区西天満6-5-17   デジタルエイトビル2階   石川元也法律事務所

        TEL 06-6362-2701  FAX 06-6362-2702 

  自宅   665-0841  兵庫県宝塚市御殿山2-31-50-104    TEL、FAX  0797-85-0813