市民国連・創立3周年 開会の辞 Word

 「市民国連の新しい出発に当たって」
 
   実行委員長代理 伊勢桃代氏(国連大学初代事務局長)
     
     
2008年12月23日(火・祝日)於早稲田大学 14号館


 市民国連フォーラムを取り上げる時に、こうやって、日本の調べより始まることは、
 すばらしいことだと思います。大月先生、皆様に深くお礼申し上げます。
 本日は、師走の祝日という、ご多忙の中で、グローバルな緊急課題のために参加して
 下さったことに深く感謝申し上げます。

       

 市民国連が主催、外務省後援、EQコミュニケーションズ、NPO天真会、人間自然
科学研究所の協賛によって、本日の会合は、市民国連発足3周年を記念し、
アフリカという緊急課題を取り上げると同時に、このフォーラムを新しく市民国連
の理念や目的を考える機会となればと考えております。

その理由は、これから大きく展開するであろう、また、せざるを得ない世界の情勢
や国際関係、国際体制にあって、21世紀は、地球に住む人間、市民の積極的な政策
形成や必要な行動への参画なくしては、貧困の問題などあらゆる緊急の課題解決は
決してなし得ないという考えに、どうしても達するからです。

 これまで市民国連が果たしてきた役割や経験を踏まえ、新しい世界に対して理
念や目的を考える機会を持とうと思います。そして21世紀の状況に役立つ理念と
具体的方向性と考える機会として出発したく思います。

      

 ここで新しく出発するにあたり、市民国連に関わってきた方々の何回もの会合
や率直な討議が交わされてきております。

 市民国連のコンセプトは、プログラムの最初に書かれている、いわゆる「われ
ら連合国の人民は」で始まる国連憲章に沿っています。新しい考えとしては、国
連憲章に立っています。これについても、提案、ご意見を頂ければありがたく思
います。新しい考えとしては、国連は世界の機構であり、組織のあり方を厳しく
問われている転換の時期であると同時に、これからの活動や存在意識が今まで以
上に問われているからです。

  
  

 その第1回目として、アフリカのテーマを中心としながら、多角的視点から具
体的グローバルな問題を検討していきます。
 平成17年(2005)からの市民国連の歩みを紹介したく思います。

なぜなら今までの歩みを語らせていただく理由は、積み重ねがあるから次に進む
ことができると信じているからです。始められた方々のご苦労を理解していただ
けたらと思います。特に、大脇準一郎先生の熱意とすべてを受け入れることがで
きる寛容な、お人柄が根底にあることは疑いのないことだと思います。

 市民運動を立ち上げることがいかにむずかしいか、会場に来られた多くの方々
が経験されていると思います。今回の会合もボランティアの方々によって開催で
きたものです。ここに書かれたすばらしいものも、実は、書道の方が書いており
ます。こうやって、皆様の貢献が、皆様に伝わっております。
少々こういうことに関して、御存知無い方もおられるので、説明させていただき
ます。

    

 これは、二段階になっています。一つには、未来構想戦略フォーラムがありま
す。これは、特徴としましては、①新しいパラダイムの構築 ②国際社会に貢献
できるリーダーの育成 ③市民の力で国と世界を生かすビジョンの構築などを目
指して、広く、自由に意見を交換できる場を提供して、ここの考えが、市民国連
の場で実行されるという組織になっています。

 市民国連(地球市民機構)は、平成17年(2005)11月3日、外人記者クラブ(有
楽町)にいて、34団体のNGO,NPO団体代表、104名の個人によって、結成されまし
た。
 国家的イデオロギー、壁が障害となって国際機関の調整を非常にむずかしい状
況に追い込まれているという現実があります。地球益と国益をひとつとする努力
をして、皆で協調しつつ、各国考えながら問題解決を図ろうとしている意味で
2005年に結成しております。

 この会合は、市民国連フォーラム3周年となり、ここで新しい理念を立てて、
大変な激動の世界にどうやったら対応できるかということを考えてこういう文章
を試みました。


 ここで紹介したいのは、国連の事務総長である韓国の潘基文事務総長の受諾の
演説の中で、
「私は、あらゆる利害関係者のお役に立てるよう、精力的な活動に
努めます。特に、国連を一層人々に近づけるための取り組みの一環として、私は
市民社会に対話の道を歩ませるよう、全力を尽くしていく所存です。また、人道
援助機関、財界、そして世界のその他、市民社会要素に対し、援助と参加を働き
かけていきます。それが国連のためにもなるからです。」
と、はっきり言っています。今まで、受諾の演説の中で、市民社会を強く意識している
のは初めてのことと思うが、時代が市民社会の参画を望んでいる。それがなければ世界
はどうにもならない状況におかれております。これからの市民国連の方向を考えてみる
と、次のような活動を考えております。

1、 地球市民の関心を高める。

 日本の中をみてみても、市民の国際情勢の意識の知識が薄いと思わざるをえな
 い。これを深めること。国連の活動や正確な情報をお渡しする。なぜなら、マス
 コミを通した二次的情報になっているということがあります。市民どうしの対話
 と意見交換そして行動を未来構想戦略フォーラムと同時にやっていきたいと思い
 ます。
2、 市民による地球的課題の解決への関与を促進する。

  国連で何が行われているのか。日本の外務省が国連にどういう提案をしてい
 るのか知らないし、知るすべもない。したがってこれから、市民が政策解決に直
 接参加できるという力を得る何らかの方向性をもっていれば、深めることによっ
 て、活動が強化できると考えます。

3、 NGO、NPOとの連携を深める事による活動を強化する。

 今までかかわってきた人々は、できれば、お金のない中で、いろいろやろうとし
 ていて、一生懸命やっているが、何かの出版物などで、世界の情勢をお伝えでき
 ればといいと考えておられる。もちろん、ホームページの活用も考えておられる。
 3周年を記念し、これからの21世紀は今までと違う世界になるという中で、新
 しい目的を考えて、活動を開始したいという意欲をお伝えすると同時に、いろい
 ろ考えを聞かせていただければありがたく思います。

       以上    (文責 溝垣善二郎広報部長)